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2014.01/19(Sun)

TS小説・4 

小説続き!


●設定<オリジナル部分>

・ゲーム内に登場しない施設でてくるかも?
・狐、龍のみ男女性別あり。
・復活の術の効果:術者の生命と引き換えに、対象の怪我・病気を完治。
 (リカバリーでは病気や致命傷により流れ出た血液までは治せない)
・カバリア島住人は25歳以上にならない。




●キャラ紹介

あやめ(過去) 燈翠(過去) 氷愛(幼少)


 *画像にポインタのせると名前表示されます。


【More・・・】

 <かつて起きたこと・に>

「――あやちゃん。ホントに行っちゃうの?」
「うん。もう決めたことだもん。だから、ひーちゃんは無理してついてきてくれなくてもいいからね?」
 とある日の夕方、あやめの友人である兎・燈翠はあやめを心配するように話しかけた。
 ――あやめはこれから【バンパイアキャッスル・月光の調べ】にて、因縁のギルドとの最後の戦いに臨もうとしていた。
 そのギルドは、妹である猫・涙氷が命を落とすことになった原因でもあり、一度はあやめ自身の命をも奪ったギルドであった。
「涙、貴女がくれた命をこんなことに使ってごめんね」
 あやめはもうこの世にいない妹に謝ると、覚悟を決めたような顔で「そろそろ行かなきゃ」と呟いた。
 そんなどこか儚げなあやめを見、燈翠は一瞬あやめがこのままいなくなってしまうような錯覚に襲われた。
「私も行くっ」
 そして燈翠が咄嗟にそう口に出すと、あやめは困ったような顔をし「私といると危ないよ?」と自虐的に笑った。
「私はあくまで『破壊者』だから、ね」
「あやちゃんが『破壊者』なら、私があやちゃんの『守護者』になってあやちゃんを護るよ」
 あやめの言葉に燈翠はそう優しい声で答え、その言葉を聞いたあやめは「ありがと」と儚げに囁くと燈翠に抱きつき、小さな嗚咽を漏らした。
 ――覚悟は決めたつもりだったが、それでもどうしても不安で仕方なかった。
 そして燈翠に抱きつきひとしきり泣くと、あやめは燈翠から離れ「行こっか」と囁きかけ、あやめが普段使っている神剣とは別の剣を手に取った。
「あれ?神剣じゃないの?」
「うん。あの剣はマスターから貰った大切な剣だから、今回の戦いには使いたくないんだ。――ちなみにこの剣は、この身体の前の持ち主が愛用してた剣なの。この日のために探してきちゃった」
 その剣は柄から刀身まですべてが闇のように深い黒で彩られており、どこか神秘的であり同時にとてつもなく禍々しい感じのする剣でもあった。
「その剣、なんだか怖い」
「この剣は今までに何人もの血を吸ってきた剣だからね。ひーちゃんがそう感じるのも当然かもね」
 あやめは燈翠の恐れに答えると、少しうっとりとした顔でその剣を眺めた。
 ――燈翠にはそのときのあやめの顔が、まるでその剣に再びたくさんの人の血を吸わせてあげられることが楽しみ、とでも思っているような顔に見え、ゾクッとした。
 そしてあやめは一瞬クスリと笑うとすぐに厳しい顔をし、燈翠とともに【月光の調べ】へと向かった。


 ――ここで一度夢が途切れ、あやめが因縁のギルドと戦っている最中の場面へと変わった。


 傷つきながらもあやめは、次々と襲い掛かってくる者たちを一切の躊躇なく斬り捨てており、あやめのそんな様子を燈翠は不安げな面持ちで見守っていた。
 ――戦いが始まる前に「手、出さないでね」と念を押されてしまったため、燈翠は何もできずにいたのだ。
「あやちゃん……」
 燈翠は小さくあやめの名を呟くと、念のためにと持ってきていた自分の剣に視線を落とした。
 その剣、アドレットエスパーダは燈翠のためにとわざわざあやめが買ってくれた物で、剣自体が白銀の光を発する、見るからに神々しい感じのする剣である。それはまるで、あやめの持つ闇色に輝く剣と対をなしているかのように燈翠には見えた。
 燈翠の視線の先では、闇色の剣を自分の身体の一部のように扱うあやめが脇目も触れずに暴れまわっていた。
 ――向かってくる者すべてを斬り捨て、返り血を浴びつつも止まらないその姿は『破壊者』というよりも『死神』と表すほうが相応しいように思えた。
 それよりも、燈翠には相手のギルドのマスターと思しき牛とその牛に付き従う者たちの様子が気になった。
 自らのギルドの仲間があやめによって斬り捨てられ再起不能な状態に陥っているのにもかかわらず、手助けするわけでもなくただ観戦しているだけなのは、何かを企んでいるからなのか。それとも単に捨て駒要員は手助けする必要もないと考えているのか。
「……どうして手助けしないの?」
 そんな牛たちの様子にあやめも不審に思ったようで、攻撃の手を止め相手との距離を取ると、自分に向かって放たれた銃弾や魔法を躱し燈翠の隣へと戻り、牛たちに訊いた。
 あやめの問いに、牛たちは不穏な笑みを浮かべると「さぁ、何故だろうな」とだけ答え、それきり黙ってしまった。
((……やっぱり何か企んでる、ってことね))
 牛の言葉にあやめと燈翠は同時にそう確信すると、相手に悟られない程度に辺りを見回したが、特に何かが仕掛けられているようには感じられない。
(歯痒いなぁ……)
 相手の企みが判明しない以上、どうしても後手に回らずを得ない状況に、あやめはチッと小さく舌打ちをした。
 恐らく、牛だけを倒したとしてもその周りにいる者たちが代わりに指揮をとるだけだろう。なので、牛だけ倒しても意味がない。
 ――本当に勝ちたいのなら、全員を倒すしかない。
「手当たり次第倒すしかないかな……」
 そう呟き、覚悟を決めたとき――

「――あやねぇ……助けて……」

 不意に、あやめの妹である兎・氷愛の声が聞こえた。
「――え?」
 今ここで聞こえるはずのない声にあやめが思わず辺りを見回すと、相手ギルド集団の奥から、数人に捕らえられ引き摺られるように氷愛が現れた。
「ひめちゃん!?――人質なんて卑怯です!」
 思わず叫んだ燈翠に相手ギルド集団は嘲るように嗤い、マスターであろう牛が「これが俺たちのやり方なんでな」とあやめたちに向かって言い捨てた。
 ――人質を取られてしまっては迂闊に攻撃を仕掛けることもできない。
「どうした?攻撃してこないのか?――まぁ、攻撃できるならだがな」
 そんな挑発的な言葉を投げかけてくる牛を、あやめは一瞬憎々しげに睨み付けたが、すぐに諦めたような声で「……攻撃なんてできるはずないよ」と呟いた。
 そしてあやめは戦意喪失したかのように剣を取り落とすと、不安げにあやめを見つめる燈翠に顔を向け「ごめんね、ひーちゃん。私、ここまでみたい……」と囁きかけた。
「え……?『ここまでみたい』って……?」
「もっといっぱい、ひーちゃんと一緒にいたかったな……」
 呆けたように訊いてきた燈翠に対し、あやめは『最期の言葉』とも取れる言葉を返すと、無理やりに笑み愛おしげに燈翠の頬を撫でた。
 そして表情を一変、厳しい顔をし、鋭い視線を牛へと向けると数歩前へ進み出た。
「別れの挨拶は済ませたか?」
「ええ。貴方が攻撃の手を止めていてくれたお陰でね」
 牛の言葉に、あやめはぶっきらぼうに答えると氷愛に視線を向け、不安げにこちらを見つめる氷愛に向かって笑んだ。
「……私の命が貴方の目的でしょ?それなら、目的を果たせたときには二人には危害を加えないって約束してくれる?」
 そして『自分のせいで自分の大切な人たちが傷つくことになるなら、自分の命をもって、悲しみの連鎖を終わりにしよう』と、自己犠牲以外の何物でもないことをあやめは本気で考えた。
「わかった。約束――」
 そう頷き、牛があやめに同意の言葉を返そうとした瞬間――不意に銃声が鳴り響き、牛が倒れた。
「――!?」
 突然のことで何が起こったのかわからず、あやめが少し前に出て牛の様子を窺ってみると、牛の背中には銃で撃たれたらしき痕跡があり、その上、脇腹には短剣が深々と突き刺さっていた。
 その様子に思わず息を呑み、あやめが明らかに事切れている牛の姿を呆然と眺めていると――

「あやちゃん、避けて!」

 自分の名前を呼ぶ燈翠の緊迫した叫び声が聞こえた。
「え?――ケホッ」
 その声に、咄嗟に我に返ったが遅かった。
 結果、完全に隙を突かれた攻撃にあやめは反応さえできなかった。
 そして刺された脇腹を押さえ刺した人物がいる方向を見ると、そこにはあやめの血に塗れた短剣を手にした狐が嘲るように嗤いながら立っていた。
「――ねぇ、ここが敵のど真ん中ってこと、忘れてなぁい?」
 あやめは小さく呻くと、狐の声を聞きながらその場にゆっくりとくずおれた。
「あやちゃん!」
「あれま。油断……しちゃった。ケホッ!ケホッ!」
 泣きそうな顔で走り寄ってきた燈翠に、あやめはおどけたように話しかけると苦しげに何度も咳き込んだ。
 そして短剣で刺され、おびただしい量の血を流している傷口を見、ポツリと「これはさすがに……助からない、かな……」と呟いた。
「そんな……、死んじゃやだよ……」
「ふふ。私のために泣いてくれて、ありがとね。――そういえば、氷愛は……?」
 大粒の涙を零しあやめを胸に抱く燈翠に、あやめは感謝の言葉をかけると、血の流しすぎで霞がかってきた目で氷愛の姿を捜した。
「氷愛、どこにいるの……?」
 しかし、見渡せる限りの範囲に氷愛の姿は見当たらず、もっとよく捜そうと燈翠の肩を借りてあやめが立ち上がったとき――

「――捜しものはこれか?」

 不意に相手の集団の奥から声が聞こえ人垣が割れたと思いきや、ぐったりとして意識のない氷愛を引き摺り、血に塗れた獅子が姿を現した。
「ほらよ」
 獅子は短くそう言い捨てると「もう用はない」とでも言うように、あやめたちに向かって氷愛を放り投げた。
「氷愛っ!」
 獅子のその行動に、あやめは咄嗟に素早い動きで氷愛の落下位置まで駆け、氷愛の身体が地面に衝突する直前に抱きとめた。
 ――自分だけではまともに立つことすらできないほどの怪我を負っているのにもかかわらず、それすらも気に留めないかのように。
「ケホッ!ふぅ、危なかっ……、――え?」
 なんとか間に合ったと思い、咳き込みながらも氷愛に視線を落とし、絶句した。
 ただ気を失っているだけ、獅子が浴びていた返り血は牛のもの、そう思っていた。しかし、現実はそんな生易しいものではなかった。
 氷愛の腹部にはあやめと同様の――どう見ても致命傷としか思えない――傷があり、おびただしい量の血がとめどなく流れていた。
「こんなにも幼い子まで手にかけるなんて――」
 怒りの籠もった視線を獅子に向けると、肝心の獅子の姿はなく、自分に向かって杖を振りかざし詠唱する龍たちの姿が視野全体に映った。
 ――まずはあやめに止めを刺すつもりらしい。
「殺れ」
 そして獅子の一声により、あやめに向けて光、闇、雷など幾多の魔法が一斉に放たれ、あやめが覚悟を決めた瞬間――燈翠はあやめと魔法の間に割り込み、身を挺してあやめを庇った。

「――ダメッ!」

 予想もしなかった燈翠の自殺行為としか取れない行動にあやめは思わず叫んだが、その叫びも空しく、放たれた魔法はほぼ全て燈翠に直撃した。
「……なんとか……間に合った、かな?――ケホッ!」
 そう弱々しい声であやめの安否を確認した燈翠は苦しげに咳き込むと大事そうに持っていた剣を取り落とし、その身体は力尽きたようにゆっくりと傾いだ。
 その様子に、あやめは咄嗟に抱いていた氷愛を地面に寝かせ、燈翠の身体を抱きとめた。
「どうして……」
「ふふ。ここに来る前に、ケホッ!――『私があやちゃんの守護者になる』って……言ったでしょ……?」
 泣きそうな顔で見つめるあやめに、燈翠は力のない笑顔を見せると何度も咳き込んだ。
 受けた攻撃が魔法だったため外見上の損傷はほとんど見られないが、肉体への影響は計り知れないものだろう。
 ――恐らく、誰の手にも負えないほどに。
「あやちゃんのこと、護れて……よかった。私、いつもあやちゃんに護られてばっかりだったから……恩返し、したかったの……」
「そんな……、恩返ししなきゃなのは私のほうだよ。私だって、いつ壊れるか知れない心をいつもひーちゃんに救われてたんだよ……?」
 自分を胸に抱き、泣きながらもそう話しかけるあやめに、燈翠は今の自分にできる精一杯の笑顔を返し「今まで、ありがとね」と、声は弱々しいが、それでいて限りなく嬉しそうに囁いた。
 そして最期の力を振り絞りあやめの頬に顔を近づけ軽くキスをすると、幸せそうな笑みを残したまま、神秘的な月の光に照らされた【月光の調べ】で――お気に入りの場所で、大好きな人の胸に抱かれて――安らかに永久の眠りについた。
「……そん、な。死んじゃった、の?」
 信じられない、とでも言うように呟き「ね、ひーちゃん?」と、燈翠の名前を呼びながら何度も何度も身体を揺すってみても――残酷な現実ではあるが――当然ながら、燈翠からの反応はない。

「――あや、ねぇ……」

 そのとき不意に、傍に寝かせていた氷愛が呟いた。
 いつの間にか意識を取り戻していたようだ。
「氷愛、良かった。気がついたんだ」
「うん。――でもね、なんだか凍えるくらいに寒いの」
 あやめは安堵しかけ、氷愛のその言葉を聞き思わずハッと息をのんだ。
 そして咄嗟に氷愛の頬に触れてみると、氷愛の身体はまるで氷のように冷え切ってしまっていた。
 ――その原因は火を見るより明らか、怪我による血の流しすぎである。
「……あとね、起きたばっかりなのに、もう眠くなってきちゃった……」
「眠く、って……。ダ、ダメ!寝ちゃダメ!」
 このまま寝かせてしまってはいけないと、ほぼ確信に近い嫌な予感が頭をよぎった。
 なんとか寝かせまいと、あやめが必死になって氷愛の身体を揺するも、その身体からは徐々に体温が奪われていく。
「むぅ、あやねぇの意地悪……。朧ねぇに、言いつけちゃうよ?」
 そういじけたように弱々しく囁き、あやめの頬に手を伸ばした。
「言いつけてもいいから!だからお願い寝ちゃわないで……。氷愛まで私の前から、いなくならないで……」
 あやめは氷愛の手を取ると両手で包み込み、祈るように自分の額に当てた。
 回復魔法が使えない自分には――助かる見込みがないとわかっていながらも――氷愛の無事を祈ることしかできなかった。
「あやねぇ、どうして寝ちゃダメなの……?」
 不思議そうに訊く氷愛に、あやめは「それは……」と言いよどんでしまった。
 ――「それは死の眠りだから寝ちゃダメ」なんて言えるわけがない。
 そして、あやめが戸惑っている間にも氷愛の身体は冷たくなっていき――
「……もう、寝ちゃう、ね。おやすみなさい……」
 氷愛は意識が朦朧とし、もはや焦点の合わなくなった目をあやめに向けるとゆっくりと深い眠りに落ちていった。
「氷愛――!?」
 あやめは咄嗟に意識をなくした氷愛の胸に耳を当て――いつ止まってもおかしくないほどではあるが――微かな心臓の鼓動を確認した。
 そのことにほっと肩を撫で下ろすと、氷愛を燈翠の隣に横たえ俯き――

「――ねぇ、貴方たちはどんな目的でこんなことしてるの?」

 思わず自分でも驚くほど冷たい声がでた。
 それは、普段のあやめからは聞くことのできない完全に無感情な声であり、それ故に声の変化の意味するところはただ一つ……。
 ――要するに、キレた。燈翠を殺し氷愛を傷つけた彼らと、二人を巻き込み、その上守れなかった自分自身に対して。
「目的?そんなの決まってるだろう」
 あやめの問いに獅子は嘲るように嗤い、
「人が泣き叫ぶ姿を見て楽しむため、ただそれだけだ」
「……そう。じゃあ、どうして仲間も殺したの?」
 そう答えた獅子に、あやめは何の感情も窺えないまるで人形か彫像のような顔で訊き、そしてゆっくりと立ち上がると自分の剣と、燈翠の足元に落ちていた彼女の剣を手に取った。
 あやめを庇ったときに落としたのだろう。
 その剣は余程燈翠に大切にされていたのか、手入れもしっかりとしてあった。その証拠に細部に至るまで磨きぬかれ、刃こぼれ一つ見当たらない。
(こんなにも大事にしてくれてたんだ……)
「あいつが――」
 先程の問いに獅子があれこれと答えているのを聞き流しながら、あやめは燈翠と過ごした日々を思い浮かべ涙が出そうになるのをなんとか我慢し、
「もういい」
(ごめんね、ひーちゃん。剣、借りるね)
 そう投げ遣りに呟くと内心で燈翠に謝り、集団に射るような鋭い視線を向け、黒と白の二本の剣を構え、
「――喋るな、下衆が」
 死刑を宣告するように吐き捨てた。
 そしてあやめはゆっくりと動き出し……、
 ――そこからの光景は、まさに地獄絵図のようなものだった。
 何かに憑かれたようなあやめの、先程までとは比べ物にならないほど素早い攻撃によって瞬く間に集団が崩れ、一人、また一人と人が倒れ【月光の調べ】に鮮血が舞い悲鳴と絶叫が響いた。

 ――数分後。惨状となった【月光の調べ】にいた者たちの中で立っている者は満身創痍な状態のあやめただ一人となっていた。
 それからの光景はあいりすが夢で見たものと同じ、あやめが氷愛に自らの命を分け与え塵になり消えたというものだった。

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